Урок 5. 副詞

  1. 副詞の形と作り方
  2. 副詞文

1. 副詞の形と作り方

副詞とは、簡単に言うと動詞を説明する言葉です。

Де́ти ве́село пою́т. (子どもたちが楽しそうに歌っている。) 

上の文章では ве́село  という副詞が動詞「歌う」を説明しています。

このように「どう?」「どんな風に?」「どんな様子で?」という情報を文に付け加えるのが副詞の主な役割です。ちなみに「どう?」はロシア語で как? といいます。よく使うので覚えておきましょう。

さて、副詞とは何かがわかったところで、その他のよく使われる副詞を見てみましょう。

ме́дленно(ゆっくりと), свобо́дно(自由に), бы́стро(すばやく), краси́во(美しく), широко́(広く), мно́го(たくさん), хорошо́(よく)…

どれも規則正しく “о の文字で終わっていますね。これがロシア語の副詞の特徴です。

“о” といえば発音の例外について前に勉強したのを覚えていますか? 力点がない”о” は /a/ のように発音されるんでしたね。忘れてしまった方は урок1 に戻って確認しておいてください。

それから最後の хорошо́ を見て、形容詞のところで勉強した хоро́ший がパッと頭に思い浮かんだ方は、なかなかセンスがいいです!実は、ロシア語のほとんどの副詞は形容詞から作られるんです。作り方を以下で確認しましょう。

интере́сный → интере́сно
лёгкийлегко́
плохо́й → пло́хo

語尾を -о に変えるだけです。

そういえば、日本語の副詞も
 おもしろ → おもしろ
 しずか → しずか
のように、形容詞の語尾を変えるだけで副詞が作れますね。

こんなところにも日本語とロシア語の共通点がありました。面白いですね!

ポイント
・多くのロシア語の副詞は形容詞から作られる。
ый   
ий  →   о
ой   

 


2. 副詞文

「副詞」を文字通りにとらえるとメインではない言葉。つまりサブの言葉。

サブということは、あってもなくてもいいということ?

日本語や英語では一般的にそう思われていますね。実際、いろいろな単語帳を見ていても副詞は後ろのページに追いやられていることが多いです。

しかし、ロシア語では副詞がメインになる文がたくさんあるんです。
聞いただけでは想像しにくいと思うので、実際に見てみましょう。

Здесь о́чень хо́лодно. (ここはとても寒い。)
Мне жа́лко его́. (私は彼が気の毒だ。)
Ещё ра́но сдава́ться. (諦めるのはまだ早い。)

これらの文で用いられている副詞は文法用語で述語副詞と呼ばれたりもします。つまり、ロシア語では副詞が文の述語になることがよくあるんです。

さて、述語といえば主語がセットですが、副詞が述語になった時、主語はどうやって表すことができるでしょうか。

述語が名詞あるいは形容詞や動詞の時、主語はふつう主格で表されます。

名詞文・・・Я студе́нт. (私は学生です。)
形容詞文・・・Я голо́дный. (私は空腹だ。)
動詞文・・・Я танцу́ю. (私は踊る。)

一方、副詞が述語の副詞文では、主語はふつう与格で表します。

副詞文・・・Мне хо́лодно. (私は寒い。)

でも、どうして与格なのでしょう。

урок3でそれぞれの格が表す意味を勉強したのを覚えていますか?与格の意味は「~に」でしたね。でも、実は格が表す意味は一つだけじゃないんです。与格は「~に」以外にも「~にとって」という意味もあります。そう考えると、上の副詞文の主語が与格ということにも納得できるのではないでしょうか。

最後に練習で以下の会話文を読んで見ましょう。

 В ба́не (バーニャで)
 А:Вам жа́рко? (暑いですか?)
 Б:Мне нет, но де́тям наве́рное жа́рко. (私は暑くないけど、子ども達に(とって)は多分暑いでしょうね。)

下線部の単語がなぜ与格でなければならないのか、
みなさならもうお分かりですね。

ポイント
1. ロシア語には副詞がメインになる文(副詞文)がある。
2. 副詞文の主語は与格で表される。