Урок 3. 格

  1. 名詞の格
  2. 代名詞の格
  3. 疑問詞と格
  4. 前置詞と格

1. 名詞の格

が・を・に・へ・と・から・より・で・まで。これは日本語の格助詞です。名詞にくっついて文の中での役割を決める重要な語です。

では、もし格助詞がなかったらどうでしょう。

“わたし  あなた  買う。”

これでは
「わたし あなた 買う。」なのか
「わたし あなた 買う。」なのか
分かりませんね。(「わたし あなた 買う。」の意味かも・・・😱

ロシア語も日本語と同じくがとても重要です。ただ、その表し方が少し違います。名詞のうしろに助詞をくっつけるのではなく、名詞自体を変化させるんです。

では、実際にどうやって変化させるか、
鉛筆りんご女の子
3つの単語を
例にとってみましょう。

  каранда́ш
я́блоко де́вочка
主格= каранда́ш я́блоко де́вочка
生格= карандаша́
я́блока де́вочки
与格= карандашу́
я́блоку де́вочке
対格= каранда́ш 
я́блоко  де́вочку
造格= карандашо́м
я́блоком де́вочкой
前置格=について (о) карандаше́
(о) я́блоке (о) де́вочке

単語の最後の文字が変化しているのが分かりますね。
これを名詞の格変化といいます。

よくこの格変化がロシア語学習における最大の難関と言われますが、私はそうは思いません。なぜなら日本語を使う私たちの頭の中にはすでに「格」という概念がしっかり出来上がっているからです。単語にくっつけるか、単語自体を変えるかだけの違いです。

とはいえ、覚えることが多いのには違いありません。新しい名詞に出会う度に自分でノートに変化表を書いたりできるよう、6つの格の名前を上から順番に言えるようにしておきましょう。

主格生格与格対格造格前置格

さて、発音についてもうすこし。
上の表の “каранда́ш” の格変化に注目してください。
力点が移動しているのに気がついたでしょうか。
このようにロシア語には格変化をすると力点移動する名詞が結構たくさんあるんです。

「少しくらい発音が違っても大丈夫でしょ!」私も最初はそう思っていました。
ですが、正しい位置に力点を置いて発音しないと、通じないことが多々あります。😅
ですから、名詞の格変化を覚える時は、毎回声に出して読むことを心がけましょう。

実際の文中での使われ方も見ておきましょう。

Он переда́л де́вочке кни́гу  . 彼は 女の子 手渡しました(=переда́л)。
Я пишу́ карандашо́м. 私は 鉛筆 書きます(=пишу)。

ロシア語も英語のように、ふつう動詞主語の後に置きます。
でも、格のところだけ見ると日本語に似ていると思うのは私だけでしょうか?

それから最後にもう一つ、生格の使い方についてです。
日本語と違ってロシア語では◯◯の」の部分が修飾される名詞の後ろに置かれます。

я́блоко ма́льчика 男の子 りんご

ポイント
1. ロシア語の格は6つ
  主格・生格・与格・対格・造格・前置格
2. 男性名詞中性名詞は各変化の仕方がほとんど同じ
3. 格変化に伴って力点が移動する事がある。
4. 生格の名詞は修飾する名詞の後ろに置かれる。
 

2. 代名詞の格

私に、あなたを、彼が、彼らの・・・。
ロシア語の代名詞ももちろん格変化します。

早速、表で確認しましょう。

  я ты он она́ мы вы они́
主格=が я ты он она́ мы вы они́
生格=の меня́ тебя́ его́ её нас вас их
与格=に мне тебе́ ему́ ей нам вам им
対格=を меня́ тебя́ его́ её нас вас их
造格=で мной тобо́й им ей на́ми ва́ми и́ми
前置格=について (обо) мне (о) тебе́ (о) нём (о) ней (о) нас (о) вас (о) них

英語の l, my, me… に比べると覚えるのに随分骨が折れそうですが、ここでは全部覚える必要はありません。注目していただきたいのは生格対格が同じ形をしているということです。

実はロシア語には、
もの事柄を表す男性・中性名詞(不活動体)は主格対格が同じ形になり、
代名詞をはじめ動物などを表す男性・中性名詞(活動体)は生格対格が同じ形になるというルールがあります。※女性名詞は主・生・対が全て異なる。
каранда́ш  と я́блоко  の変化と見比べてみてください。

生き物にたいしては「いる」、
それ以外のものに対しては「ある」
と区別する日本語の感覚に似ていませんか?

全く違う言語と思われがちな日本語とロシア語ですが、
意外なことに、こういう共通点が結構たくさんあるんですよ。

ポイント
・代名詞も名詞と同じく格変化をする。
・代名詞の生格と対格は同じ形。
 

3. 疑問詞と格

格助詞をつける語は名詞や形容詞だけではありません。疑問詞にも格助詞をつけることがよくあります。

例えば、「」と「」。

何が?何の?何に?何を?何で?
誰が?誰の?誰に?誰を?

会話でよく使う言葉ですね。
これらをロシア語で言えるようになると、会話の幅がグンと広がります。

さて、
」はロシア語で что
」はロシア語で кто
といいます。

それぞれを格変化させたものの表がこちらです。

  что кто
主格 что?
何が?
кто?
誰が?
生格 чего́?
何の?
кого́?
誰の
与格 чему́?
何に?
кому́?
誰に?
対格 что?
何を?
кого́?
誰を?
造格 чем?
何で?
кем?
誰で?
前置格 о чём?
何について?
о ком?
誰について?

注目すべきは、
何が?」と「何を?」が 同じ (что) で、
誰が?」と 「誰を?」は同じではないということ。
そして、
誰の?」と 「誰を?」が同じ (кого) だということ。

少し練習してみましょう。名詞の格を変化させて、質問に対する正しい答えを作ってください。

1. кому́? ー же́нщина(女の人).
2. о чём? ー блю́до(食べ物).
3. чего́? ー стака́н(コップ).
4. чем? ー рука́(手)
5. кого́? ー ба́бушка(おばあさん).
 
応用問題
кого́? ー 1. соба́ка(犬) / 2. кот(猫) / 3. ры́ба(魚) / 4. жук(虫) / 5. студе́нт(学生)


4. 前置詞と格

ロシア語の6つの格の内の6番目「前置格」は読んで名のごとく、
いつも前置詞と一緒に使います。

一番よく使うのは次の3つです。

о前置格・・・~について
на前置格・・・~の上に
в前置格・・・~の中に

О чём? (何について?) ー О рабо́те. (仕事について。)
На чём? (何の上に?) ー На столе́. (机の上に。)
В чём?  (何の中に?) ー В кни́ге. (本の中に。)

о, на, в 後ろの名詞がすべて前置格になっていることを確かめてください。 

ただし、前置詞の後ろにはいつも前置格が来るとは限りません。

例えば、

с造格・・・~と一緒に
из生格・・・~の中から
от
生格・・・(人)のところから
к与格・・・(人)のところへ

という組み合わせもあります。

それから先程出てきた на と в ですが、
以下のように前置格の代わりに対格を置くと、

на対格・・・~の上へ
в対格・・・~の中へ

意味が「存在の場所」から「移動の到達点」に変わります。

このようにロシア語の格は単独で用いるだけでなく、
前置詞とセットで様々な意味を表すのにも用いられます。

前置詞は以下のように代名詞と一緒に用いることもできます。
о тебе́ (君について)
с ва́ми (あなたと一緒に)
от нас (私たちのところから)

注意しなければならないことは、前置詞の後ろに三人称(単・複)の代名詞を置く時は、頭に н の一文字をくっつけることです。

о ней (彼女について)
с ним (彼と一緒に)
от них (彼らのところから)

ロシア人はこの н がないと、どうにも発音しにくいんです。だからつけるんです。

前置詞と格の組み合わせはたくさん存在しますが、
当面は、ここで学んだよく使うものだけを覚えておけば事足りるのでご安心を。

ポイント
・前置詞の後ろに三人称の代名詞(単・複)を置く時は頭に н をつける。
о нём  / к ней / с ни́ми

・よくつかう «前置詞+格» の組み合わせ
о+前置格 ・・・~について
на+前置格・・・~の上に(存在の場所)
в+前置格・・・~の中に(存在の場所)
на+対格・・・~の上へ(移動の到達点)
в+対格・・・~の中へ(移動の到達点)
с+造格・・・~と一緒に
из+生格・・・~の中から
от+生格・・・(人)のところから
к +与格・・・(人)のところへ